Huesca ピレネーの国境地帯に佇む美しい駅舎
ピレネー山脈の中央部に位置するアラゴン渓谷（Valle del Aragón）。
スキーリゾート地として知られるこの谷に、一度見たら忘れられない駅舎があります。
《ピレネーの貴婦人》と称されるカンフランク駅（Estación de Canfranc）です。
20世紀前半に国際駅として誕生し、フランスへの国際列車が発着する駅として賑わいました。
1970年の国際列車の廃線後、国際駅としての役割を終えた駅はさびれ、鈍行列車【カンフラネーロ】の終着駅としてのみ利用されていました。
そんなカンフランク駅が、2023年に5つ星ホテルとして生まれ変わり、再び注目を集めています。
カンフランク駅の位置
ウエスカ県北部、アラゴン川が静かに流れるアラゴン渓谷にカンフランク駅はあります。
フランスまで約8㎞の国境地帯、標高1194ｍの山間部です。
2000m級の山や緑豊かな森に囲まれた自然豊かな地域です。
カンフランク駅の全容
ピレネー山麓に建つ堂々とした佇まいのカンフランク駅は、その美しい姿から“ピレネーの貴婦人” (La Dama del Pirineo) と称されました。かつては建物自体が国境の役割を果たしていた、正真正銘の国際駅だったのです。240mの細長い建物が目を引きます。
建築家
Guillermo Brockmann（スペイン人建築家）
Le Cornec（フランス人建築家）
建築様式
折衷主義 (Eclecticismo)
建築資材
ガラス、セメント、鉄、スレートなど
ファザード
2面（開業当時は片面：スペイン領、片面：フランス領）
長さ
240m
扉の数
75扉/ファザード
階数
3階建て
設備（開業当時）
切符売り場・窓口・税関所・警察署・郵便局・ホテル・貨物列車用のプラットフォーム・倉庫など
列車の種類（開業当時）
旅客列車・貨物列車
カンフランク駅の歴史
◇ 1888年｜駅舎の着工
◇ 1921年｜駅舎の竣工
◇ 1928年｜開業
◇ 1970年｜貨物列車がフランス側の橋を通過する際に脱線事故を起こし、国際列車は廃線となった。
◇ 2023年｜5つ星ホテル Canfranc Estación, a Royal Hideaway Hotel がオープン。
◇ 現在 ｜サラゴサとカンフランクを結ぶ中距離列車（通称カンフラネーロ）が運行。
★詳細はこちらをご覧ください。写真も（アラゴン州政府作成のウェブサイト・スペイン語）↓
カンフランク駅を訪ねよう
①現在の駅舎
2023年に建てられた新駅舎は旧駅舎の裏手（東側）に建っています。
カンフラネーロ列車が発着する駅です。駅には公共のお手洗いがあります。
②旧駅舎・現在のホテル
かつて国際駅として使用された旧駅舎は、2023年にホテルに生まれ変わりました。
外壁や内装も一新され、美しい建築としても見ごたえ十分。
ホテルと駅舎の間は散歩道も整備されているので、ピレネー山脈を眺めながら散歩も楽しめます。
カンフランク駅の見どころ
カンフラネーロ列車
サラゴサとカンフランクを結ぶ鈍行列車。「スペインで最も遅い列車」の愛称で親しまれています。サラゴサの他にも、ウエスカやハカなどに停まるので、好きな場所から乗ってみましょう。ウエスカ県の多様な自然景観を車窓から楽しめます。
カンフランク駅の周りをハイキング
駅周辺にはピレネー山脈を楽しめるハイキングコースがいくつもあり、森・滝・泉など色々な景色を楽しめます。詳しくはカンフランク観光局の地図をご覧ください↓
カンフランク駅に泊まる
旧国際駅の駅舎をリノベーションして、2023年にオープンした5つ星ホテル。夜のカンフランク駅を楽しめます。詳しくはホテルのウェブサイトへ↓
カンフランク駅への行き方
列車で行く
カンフラネーロ
列車
約2時間
カンフラネーロ
列車
約30分
バスで行く
バスターミナル
バス
約30分
巡礼路を歩いて行く
サンティアゴ巡礼路
徒歩
約3時間
◇ バス会社：https://www.mavaragon.es/servicio-autobus/
◇ 鉄道：https://www.renfe.com/es/es
カンフランク駅の基本情報
カンフランク駅 Estación de Canfranc
観光案内所 https://www.canfranc.es/
カンフランク駅の地図 https://www.canfranc.es/descargas/plano-canfranc.pdf
国境地帯の美しい駅カンフランクはいかがでしたか？
ピレネー山麓の他の村や自然スポットと一緒にぜひ旅に来てください。
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