美しい村 アルケサル & トルラ

「アルケサル」と「トルラ」は、晩秋に訪れたピレネー山脈の旅で個人的に最も印象に残った村。ピレネー山麓のトルラは、まるでスイスかと錯覚するかのように可愛らしい。村からオルデサ国立公園に入ると、反り立つピレネー山脈の壮美な山並みが一面に広がっていた。

これぞ自然の要塞だ。そして、知られざる至宝を見つけたと思ったのが、アルケサル。山並みにへばりつくように広がる「茶色い村」だ。到着して展望所から見タムラの全景は、とても美しい。

あいにくの曇り空が、村を更にエキゾチックに見せてくれた。アラゴン州北部一帯は、ゆったりとした時間の流れがとても心地よく、人も親切。一度訪れるとファンになる方が多いのもうなずける。

スペイン政府観光局 重 貴子さん

美しい村 アルケサル & アインサ & ロダ・デ・イサベナ

2022年7月、アルケサルアインサロダ・デ・イザベナの3つの村を旅してきました。その中でいちばん印象に残ったのが、山と川に囲まれた崖の上にある小さな村アルケサルです。

人口300人ほどというこの静かな村は、中世そのままの石畳の道が迷路のようになっていて、アーチ状の通路をくぐリながらの散策も楽しく、写真を撮る手が止まりませんでした。

また近くを流れるベロ川とその渓谷のハイキングでは、山も川も吹く風までも本当に清々しく、崖に沿った通路を歩くスリルも加わって気持ち良い汗をかくことができました。

崖のてっぺんにあるサンタ・マリア教会は、回廊や可愛い柱頭の彫刻、荘厳なオルガンなどももちろん印象深かったのですが、ここでは忘れられない思い出ができました。

この時私は日本人ガイドの方と一緒だったのですが、この教会の管理人&ガイドのハビエルさんが、彼女を見た時の驚きと喜びに満ちた表情といったら・・・。コロナ禍ではこの村も、外部から訪問ができない時期もあったそうで、再会できたことが心から嬉しかったのだと思います。お二人の冗談混じりの会話を聞いていると、彼女が村の人たちと信頼関係を築いていることが、自分のことのように嬉しく感じられたのでした。

村上裕子さん

トルラ & オルデサ国立公園

自然が作り上げた芸術品が残る、トルラの街とオルデサ・イ・モンテ・ペルディド国立公園

スペインとフランスの国境に連なる山々、ピレネー山脈。私が訪ねたピレネー山脈の麓にある小さな街「トルラ」はハイキングやトレッキングの拠点として人気がある場所です。秘境のような山に囲まれた街でありながら、夏には多くの観光客で賑わいます。

この街からバスで30分程の場所にハイキングコースがあり、往復1時間半ほどで歩く初心者コースから、往復6時間の本格的なコースもあり、緑豊かな森の中を、川の流れを聴きながら歩くことができます。

私たちが生まれる何千年も前からあった岩山は、日本で見たことのない、自然が作り上げた最高の芸術作品。ウエスカ県は歴史と自然が多く残り、四季を通じて都会では味わえない魅力にあふれた場所です。

照井えつこさん

トルラ & オルデサ国立公園 & ゴリッツ小屋泊

登山が趣味の私達夫婦はスペインを旅する時はピレネーを歩こうと決めていました。ガイドのパコさんと3人のトルラ~オルデサ渓谷~ゴリッツ小屋泊~トルラと1泊2日の山歩きでした。

渓谷の景色は息をのむほど美しく飽きる事のない風景が続き、サモアやマーモットに癒されゴリッツ小屋小屋までの6時間はアッという間でした。

下山後はプラデーラのレストランに立ち寄りフルーティーなビールで喉を潤しました。5月のピレネーはまだ雪が残っていますが、人が少なくお勧めです。

K・H さん

ウエスカ

この街の目的はウエスカ大聖堂とサン・ペドロ・エル・ヴィエホ教会を訪ねる事でした。ゴシック様式のウエスカ大聖堂の入口のタンパンには、使徒の姿をした彫刻が施され、それは見事でした。

一方、サン・ペドロ・エル・ヴィエホはロマネスクの教会で、こちらのタンパン彫刻も見事でした。ロマネスクの美しい回廊には柱頭彫刻が残っており、ロマネスク好きな人にはたまらない教会だと感じました。

ウエスカという地名は知ってはいるものの、深く知らずに訪れた街は、北スペインの自然の美しさと、アラゴン王国の深い歴史を感じられた貴重な体験でした。

金丸美保子さん

ウエスカ & サン・フアン・デ・ラ・ペーニャ修道院

ヨーロッパステンドグラス研修の旅にカタロニアロマネスクを巡る旅としてサン・セバスチャンからバルセロナまでピレネー南側、スペインの小さな町々を訪ね廻りました。この地方にしては珍しい14世紀のステンドグラスがウエスカの大聖堂にあり地方色豊かな描写と光の美しさに感動しました。

又、サン・フアン・デ・ラ・ペーニャ修道院は岩窟の僧院と言っても良い場所、神殿の様でもあり僧院としてピレネーでの信仰の中心であったと窺い知ることができます。

近くの駐車場でバスを降り歩いて行くほどに聖地としての空気感が漂い、いつの間にか心の中が澄み切ってくる、そんな貴重な体験が出来る魅力的な空間でした。

平山 健雄 さん

ロアーレ城

アラゴン州ウエスカ県は、氷河が横たわるピレネー山脈最深部から、なだらかな平野に至る丘陵までの、山間部にまたがる自然と文化が魅力的な地域だ。中世にはロマネスク芸術が発達し、キリスト教徒とイスラム教徒が数百年にわたって攻防をくりひろげた最前線でもあった。そんな大自然と歴史を一枚の風景写真で表現できる場所が、ここロアーレ城

11世紀のアラゴン王によって建てられた、スペインで最も重要なロマネスクの城といわれている王宮跡だ。丘陵に建てられた城からは、南に広がる平原が実によく見渡せる。建設当時、この丘陵までがキリスト教徒の領地で、ここから先の平原はイスラム教徒の領地だった。

大河ドラマさながらのドラマが繰り広げられた地域だが、現在はピレネーの自然に親しめる風光明媚な旅先として人気を集め、フランス人ツーリストが多いこともあってか、食事がおいしいことでも知られている。萌える緑の夏を楽しんだら、次は冬のピレネーの雪景色を眺めてみたい。季節を変えてなんども訪れたい魅力的な地域だ。

有賀 正博 さん

ウエスカ & ロアーレ城 & サンティアゴ巡礼路(アラゴンの道)

2022年の秋にスペインを訪れました。まずサラゴサの主な観光スポットを回り、アラゴンのムデハル様式を見学。次にウエスカの大聖堂、修道院といずれも素晴らしく、ロアーレ城の周辺を馬と散歩したのはとても楽しい思い出になりました。

ロアーレからリグロスまで歩き、迫力ある奇岩が印象的でした。アラゴンルートに入ってからはピレネーとアラゴン川の織りなす素晴らしい景観と、ハカの大聖堂、サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院などロマネスクの魅力に溢れていました。次は「美しい村」を訪れたいですね。

Marikoさん

アインサ & ロアーレ城 & サン・フアン・デ・ラ・ペーニャ修道院

ウエスカ県… スペインの北、日本ではまだなじみの薄いエリアなれど、歴史好きにはゾクゾクする場所なのでした。

とくに印象的だったのがピレネー山麓の街アインサ。〝スペインで最も美しい村〟に登録される可憐な姿とは裏腹に、かつてイスラム教VSキリスト教激戦の歴史が語られる街でした。

さらにはアインサに対抗してイスラムの砦がつくられた街、アルケサル。この2つの街が対峙して遺っている風景。いやもぅ、レコンキスタがこんな北から800年近い歳月を経てアルハンブラ宮殿へと達したかと思うと、スゴいの一言。

闘う前に勝利した要塞転じて修道院となったロアーレ城の丘では、敵を睥睨している気分に浸り…。巌窟の修道院サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院では、ココもっと重要な歴史があるのだけれども、敵から身をひそめるキリスト教徒を妄想したりと。

訪問前にはロマネスクでも楽しみたいなくらいに思っていたウエスカですが、思いの外レコンキスタな歴史に触れてワクワクがとまらなかったのでした。

大沢さつきさん

ロマネスク建築 ハカ & ロアーレ城 & サン・フアン・デ・ラ・ペーニャ修道院

ハカ大聖堂はロマネスク建築の魅力がいっぱい

中世にアラゴン王国の王都として栄えた街、ハカ。歴史あるこの街で見学したハカ大聖堂は特に印象に残っています。

ハカ大聖堂は1077年に建造が開始された、初期ロマネスク様式の代表的な建造物です。その特徴を示すポイントがいくつもあり、例えばファサードや教会内部に用いられた半円アーチ、西側の門の上部に装飾されたクリスモンと呼ばれるイエス・キリストを表したモノグラム、大きくて長い手足が目を引く柱廊の装飾など。

さらに併設された美術館にはロマネスク様式の壁画コレクションがあり、見ごたえ充分。太く黒い線ではっきりと輪郭が描かれた、ちょっと平面的な構図の壁画は、素朴ながら目の前にすると強烈なインパクトを放っていて、思わず見入ってしまうほど。

また外観には「ハカの市松模様」と呼ばれる、格子のような模様が装飾されているのですが、これはハカ大聖堂で誕生したもので、これもロマネスク建築の特徴のひとつ。ちなみに巡礼の路の道しるべにもなっていたそうです。

ハカ大聖堂のほかにもサン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院ロアーレ城もロマネスク建築を代表する建造物なので、ぜひ3カ所まとめて行くのがおすすめです。

C.Aさん

サビニャニゴ(農家民泊)& オルデサ国立公園(4WD観光と渓谷ハイキング)

サビニャニゴ(農家民泊)

農家民泊は田舎暮らしを体験したく、そして羊や羊飼い料理に興味があったので選びました。選んで大正解でした。到着するとご夫婦と2匹の牧羊犬のお出迎えを受けてCheck In。動物での驚きは、初日は私達を見て近ずかなかった馬とロバが最終日にはなんと顔を寄せて来るまでに近ずいてきたのでした。分かったんだ。又子羊達の群れや抱っこした時の可愛さはなんともホッコリしました。

施設内にはパン焼き小屋や教会など羊飼いの生活も観られるようになっていました。もう一つ特筆は羊飼いの携行食(Migas)の初体験でした。また毎日提供される食事の美味しいことと言ったら忘れられません。新鮮な果物、トマトなど野菜、羊肉のリブステーキ、ソーセージ、サラダ、生ハム、自家製チーズ。それはそれは大満足でした。どんな有名な店にも引けは取らない。

人の温かさ、自然環境の良さ、料理の美味しさ、最高!でした。機会有ればまた泊まってみたいです。

オルデサ国立公園

4WD観光

オルデサ国立公園 (TORLA)は美しいピレネー山脈の渓谷や麓の町を訪ねてみたく選びました。今回は1泊2日でORDESA国立公園を楽しめました(移動はすべて公共交通でTAXI利用はしていません)。

4WD観光(4時間)

麓から山の尾根に至るまで景色は緑の牧草地や農家などがあって美しかった。ピレネー山脈の山々を同じ高さの目線で見られること、2237mの断崖絶壁展望台からの覗くオルデサ渓谷。はるか遠い眼下には登山道の避難小屋も見られた。絶景でした。そしてとても運よく見られた3mもの白エリハゲワシ、断崖のシャモア等も感動でした。

面白かったのはDriverが運転中にキノコを見つけると停車して、崖を下り野生のキノコを持ち帰って来ることでした(2、3回)。聞けば家に持ち帰って食べるとの事。

渓谷(谷底)ハイキング

公共駐車場からのシャトルバスで移動。アラサス川添いのハイキングコースを散策する。体力によってコースも設定できるのでお薦めです。川のせせらぎを訊きながら、下から見上げる山々。心休まる時間です。散策途中の林間は湿気が多いので、あちこちに色々なキノコが群生している。季節がずれたので高山植物は見られなかったのは残念だった。

小野景右さん、朋子さん

アルケサル & ロアーレ城 & オルデサ国立公園

スペインの面白さを味わうならば、一度はウエスカへ!

争いながらも600年前までイスラム勢力が力を維持し続けたスペインには、今なお当時を彷彿とさせるものが各地に多く点在していますが、その当時の歴史を色濃く、対照的に楽しむのであれば、ウエスカはピッタリです。

イスラムの色合いがとても強く反映される、アルケサルといった迷路のような村と、アラゴンのレコンキスタの発祥地であり、キリスト教徒の拠点となったアインサのような道が広くシンプルな作りの村、2つの宗教の立場や歴史的背景が異なるからこそ、村の作りはまるで異なり、対照的でとても興味深いです。

歴史を感じるという意味で、特に私がお勧めしたいのは、イスラムとの戦いの中で築かれた、キリスト教徒の城「ロアーレ城」です。当時の姿を保つ二重の城壁に囲まれた重厚なロマネスク建築ならではの雰囲気はもちろん、高台から望むウエスカの平原の景色も素晴らしいです。とある中世を舞台にした映画のロケ地でもあり、それも訪れてみるときっと納得いただけると思います。

村や建築のことばかり書きましたが、ウエスカには雄大なピレネーの自然を楽しめるオルデサ国立公園もあり、また、ワイン付きにはソモンターノでワイナリー訪問も楽しんでもらえます。

こういった様々な点を総括して、「スペインの面白さを味わうならば、一度はウエスカへ!」と伝えたいです。

H.Yさん

ロアーレ城 & リグロス & アルケサル & アインサ

ロアーレ城

アラゴンを訪ねた時に訪れました。あまりガイドブックに載っていなかったので、それほど期待していませんでしたが、圧巻の迫力です。一目で感動したのは、お城からの景色。見渡す限り平原が広がり、スペインの広大さに圧倒されました。説明を聞くと、レコンキスタの時に、イスラム教徒に対抗して造られたお城とのこと。往時の歴史に思いを馳せながら素敵な時間を過ごすことが出来ました。内部は廃墟ですが、それもまた趣があり、当時の教会には美しいアーチなど建築美術を見ることができるので、訪問する価値ありです。

リグロス

雑誌で見て、行ってみたいと思っていた場所です。ウエスカからの日帰り旅行に参加して訪問。聳え立つ岩山をただ見上げるだけで、思い出深いものとなりました。日本にあれば、絶対にお土産店がありそうなものですが、麓の村には一切そのようなものはなく、スペインの田舎町といった感じ。他に観光客も見当たりませんでした。静かに悠然と立つ巨石に圧倒されます。

アルケサル

小高い丘の上に立つ教会を中心に町が形成されています。町並みはハチミツ色のような色の石材で統一されており、美しいの一言。教会は、元々イスラム教徒の砦だったそうですが、キリスト教徒がこの土地を治めるようになってから、教会へと改築されたそうです。今回の旅の初訪問の村であったのと、村内のバルで食べた昼食が初スペイン料理だった事もあり、とてもインパクトが有りました。ヨーロッパの田舎の村がお好きな方には、絶対に気に入ってもらえると思います。教会内部には立派な回廊があり、また周囲の渓谷も見渡せるので、時間があれば見学することをお勧めします。

アインサ

ピレネー山脈を背景に佇む古い村でした。ガイドブックによると、かつてのアラゴン王国の首都にもなっていたそうですが、こじんまりとしていて、可愛らしい村でした。村に入ってすぐにマヨール広場があり、そこのバルなどでゆっくり過ごしたり、地元のお店を覗くと良いでしょう。

長谷野博紀さん

ウエスカ & ハカ大聖堂 & サン・フアン・デ・ラ・ペーニャ修道院

ウエスカ

朝9時半にバルセロナ空港に着き、サンツからAVEとRegional に乗り、Huesca に着きました。Renfeの窓口でしか売ってないゴールドカードを入手しようと目論んだのですが、スペインに着くまでにTurista が予定のAVEだけでなくその後の2本も完売になり、ゴールドカードよりまず座席確保だと、初めていわゆる日本で言うところの、グリーン車のチケットを割引無しで買いました。高いだけあって快適でした。

ウエスカで1番印象深いのは、San Pedro el Viejo です。最初見た時は地味な感じでしたが、回廊にあるロマネスクの彫刻をひとつひとつ眺めているうちに、何とも言えないほっこりした気持ちになりました。素朴で可愛い感じがしました。シロスでも回廊を訪れましたが、こちらの方が表情が優しく、人を和ませる彫刻達のように思えました。

ハカ大聖堂

5/8 午後ハカのホテルに到着後、大聖堂に出かけるも、閉まったままでした。

張り紙に、マリア・テレサさんが95歳で亡くなり、Parroquial de Santiago 教会で11時から葬儀があると書いてありました。隣のインフォメーションに聞きに行くと、16時半からオープンするとのこと。でも結果その日は閉まったままでした。

翌日午後に再訪すると、16時半と17時に2つの葬儀が大聖堂でありました。仕方なく帰りました。

5/10、三度目の正直で出かけると、ミサ中でしたが、博物館はやってました。やっと念願が叶いました。

大聖堂も博物館の中の壁画も想像通りの素晴らしさでした。この日も葬儀の予定の張り紙がありました。色々な大聖堂に出かけましたが、これだけ沢山の葬儀をやってる所は初めてでした。とにかく、ハカを去る前に、大聖堂に入ることができ、良い思い出をつくることができました。

サン・フアン・デ・ラ・ペーニャ修道院

ぜひ行ってみたいと思ってた サン•ファン•デ•ラ•ペーニャでしたが、観光協会やホテルに聞いても、レンタカーを勧められ、困ったなあと思ってたら、ツィッターで知ったカミーノに参加されてる女性から、こちらのことを教えてもらい、タクシーで行けるようセッティングして頂きました。

天気予報は雨でしたが、ハカに帰り着いた頃にぽつぽつと降り始め、お天気も味方してくれました。

10時過ぎに一番乗りで到着。暫くは貸切り状態で、この幻想的な世界をじっくり味わうことができました。

夏にはバスも運行されるとのこと、多くの観光客で賑わうのでしょうね。念願の場所に来ることができ、本当に良い思い出になりました。

T.S さん

ハカ大聖堂サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院 & ロアーレ城

2023年5月13日から14日に掛け、ウェスカ県の3カ所に立ち寄りました。72才と83才の老人二人旅ですから、足の心配をせずに済むように、事前に、ウェスカ市の旅行代理店にタクシーの手配をお願いしておきました。ボイ谷からパンプローナまでの2日間、ウェスカ市在住の運転手さんに全面的に身を委ね、ロマネスク教会を巡る旅を満喫しました。

ハカ大聖堂

ロマネスク最古といわれるハカ大聖堂、内部はバシリカ式3身廊の典型的なロマネスク様式でしたが、外観は商店に囲まれてちょっと窮屈そうでした。唯一開けた南側には小さなポーチがあり、その一角に、11世紀に活躍した通称「ハカの名匠」が刻んだ柱頭がありました。テーマは「聖シクトゥスの殉教」、ふっくらした頬がとても印象的でした。

付属の美術館はロマネスク芸術の宝庫でした。なかでもバグェスの教会から移されてきた壁3面の壁画、「創世記」と「キリストの生涯」は圧巻でした。絵のテーマは二の次で、絵画としての巧さ、美しさ、古雅の味わいに魅せられて、長い時間、見入ってしまいました。

サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院

 日曜日の朝で人影もありませんでした。開館前に着いてしまったおかげで、じっくりと修道院全体の立地、姿を確かめることができました。規模も様式もまるで違いますが、鳥取県の国宝「投入堂」を思わずにはいられませんでした。どちらも岩陰に身を潜め、1000年の時を経てきた孤高の宗教施設ですから。

 10時の開館と同時に中に入りました。下の教会、上の教会を経て、岩窟に抱かれた回廊に出た時の印象は忘れられません。我々以外は誰もいません。30分以上、回廊を独占して、「ペーニャの名匠」の手になる傑作柱頭の数々を存分に鑑賞することができました。この名匠の特徴であるアーモンド型の大きな目を持つ旧約聖書、新約聖書の登場人物たちに見守られながら。

ロアーレ城

 お昼頃、ロアーレ城に到着しました。天気は上々、やはり城には青空が似合います。11~12世紀のロマネスク建築で、城塞であり、中には教会もあります。ここでも我々の主目的は、そのサン・ペドロ教会、簡素にして完璧なロマネスク空間でした。

K.Sさん