ウエスカを出発し、プレピレネー山脈に沿って西へ。エスケダスやボレアを通り過ぎ、徐々に近づいてくる山脈の麓には、小麦畑・大麦畑・アーモンドやオリーブの木々が点在しています。一直線に伸びる道を走っていると、やがて山の中腹に隠れるように建つ古城が見えてきます。歴史情緒あふれる、ロアーレ城のお出ましです。
ロアーレ城の位置
ロアーレ山脈の中腹、標高1070メートルに建つ中世の古城です。城の麓にはロアーレ村があります。
ロアーレ城の歴史
国土回復運動の時代背景の中で、キリスト教徒によって建てられました。ロアーレ山脈を越えた北から南へ国土回復運動を進めていたアラゴン王国は、ロアーレ城から目と鼻の先にあるイスラム教徒の拠点であったボレアを攻略するために城を建設します。
初期の城は11世紀にナバラ王国のサンチョ大王によって建てられました。11世紀後半には、サンチョ大王の孫であり、アラゴン王国の王であったサンチョ・ラミレスにより城が増築されます。
サンチョ・ラミレスの子であるペドロ1世は、ボレアを攻略することをあきらめ、先にウエスカを攻略すべく、軍事拠点をモンテアラゴン城に移します。
こうして軍事的重要性を失ったロアーレ城は、戦いの舞台となることなく、「ヨーロッパで最も保存状態の良いロマネスク様式の城」として、現在まで残っているのです。
ロアーレ城の地図
赤:11世紀初頭にナバラ王国のサンチョ大王が建てた要塞
青:11世紀後半にアラゴン王国のサンチョ・ラミレスが建てた修道院
緑:13世紀に建てられた城壁
ロアーレ城の歩き方&見どころ
中世に要塞として建てられたロアーレ城は、その後、修道院や教会、貴族の宮殿として増改築されました。城の中へ進めば進むほど、時代を巻き戻すように建物が古くなる構造になっています。
ロアーレ城を一望
チケットセンターで入場券を購入し、いざ城内へ。ウエスカの平原と城を一望することができる。
城門
全長172メートルの13世紀の城壁をくぐり、城内へ。門のアーチの上に掘られた「ある顔」を見つけられるかな?
ウエスカ平野
天気が良いとボレアやウエスカの町が見える。
見張りの塔
11世紀の塔。要塞から独立した塔は見張り台として使われた。
正門
半円アーチの正門にはロマネスク美術の装飾であるハカの市松文様や柱頭彫刻が施されている。「見ざる聞かざる言わざる」のサルもいる?
サンタ・キテリア地下礼拝堂
礼拝堂・霊廟・宝物庫として利用された。写真の階段左の扉から入る。サン・ペドロ教会と細長い階段で繋がっている。
サン・ペドロ教会
かつてのアラゴン王室礼拝堂。11世紀のロマネスク建築。26メートルのドームが目を引く。祭壇の柱頭には架空の動物や植物、聖書の場面が施されている。
主塔
城内で最も高い塔(22メートル)。内部は5階構造になっている。攻城戦にそなえ跳ね橋で中へ入れるようになっていた。
初期の砦
サンタ・マリア教会、王妃のバルコニー、井戸(8万リットルの水を貯めることができた)、王妃の塔など、初期の城の雰囲気が残っている。
ロアーレ城への行き方
公共交通機関ではアクセスができません。車もしくはタクシーでアクセス可能です。
車で行く
車
約35分
車で行く
車
約1時間15分
車で行く
車
約30分
ロアーレ城の基本情報
ロアーレ城 Castillo de Loarre
ウェブサイト http://castillodeloarre.es/es/
★チケットオフィスには売店・お土産屋さん・お手洗い・カフェテリアがあります。
★ロアーレ城の入場券でロアーレ村のサン・エステバン教会にも入場することができます。
ウエスカ県の観光地図
ウエスカ県の観光地図をこちらのリンクからダウンロードすることができます。