ウエスカ県の県都であるウエスカ市は、プレピレネー山脈を望む平野に位置する人口約5万人の町です。バルセロナ、マドリッド、サラゴサなどからアクセスすることができ、ピレネー山脈への玄関口の役割を果たしています。スペインの観光地の中では見落とされがちで、「何があるのかよく分からない」というイメージが強いかもしれません。歴史を紐解けば、実はアラゴン王国の古都であったウエスカには秘宝のような建築群が眠っていますし、実はおいしいレストランやバルが多いというのも魅力です。小さな町だからこそ味わえる居心地の良さや地元民との近さを楽しんでいってください。
ウエスカの位置
アラゴン州を構成する3つの県の中で最も北に位置しており、東にカタルーニャ州、西にナバラ州、北にフランス、南にサラゴサがあります。
プレピレネー山脈の南に広がる平野に位置しており、町からはグアラ山脈を一望することができます。
ウエスカの歴史
ウエスカには長い歴史の中で、多くの文化が足跡を残しました。イベリア人、ローマ人、イスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒-。町の住人が変わる度に地名も少しずつ変わりました。ボルスカン、オスカ、ヴァスカ、そして現在のウエスカへ。
紀元前1世紀から紀元後1世紀まではローマ人が暮らし、8世紀から11世紀まではイスラム教徒が築いたアル・アンダルス最北の町として発展したり、国土回復運動の後はアラゴン王国の都が置かれていたこともありました。アラゴン連合王国誕生の要となったペトロニラ王妃が生まれたのもウエスカなのです。
その歴史を知るには、旧市街をゆっくり歩くのが一番。コンパクトな街中は歩いて散策するのに丁度よく、中世の美術史の縮図のような建築群がこの町の歴史を雄弁に語ってくれます。
ウエスカの地図
ウエスカの町の見どころは旧市街に集まっています。
観光案内所が位置するルイス・ロペス・アジュエ広場を起点に、旧市街の散策ができます。
コソ通り周辺には商店やお菓子屋さん、バル、レストランが集まっています。
ウエスカの歩き方&見どころ
旧市街の広場にある観光案内所を起点に町歩きを楽しみましょう。半日で旧市街を見て回ることができます。散策のあとはバル通りでタパスを楽しめます。
ルイス・ロペス・アジュエ広場
ピンク色の外壁が特徴的な広場。1976年までは市場があったため、メルカード広場とも呼ばれる。バルやお土産屋さんなどもある。観光案内所もこの広場にある。
ラ・コンフィアンサ
ルイス・ロペス・アジュエ広場の一角にあるスペイン最古の食料品店。ウエスカ県の食品を扱う。店内の美しい装飾も見どころ。
サン・ペドロ・エル・ビエッホ教会
12世紀のロマネスク建築。教会、フレスコ画、回廊、アラゴン王の霊廟、ロマネスク彫刻が見どころ。
大聖堂
イスラム統治時代のモスクがあった場所に建設された大聖堂。13世紀に建設が始めるも、ペストの流行で工事が中断され16世紀ごろに大部分がゴシック様式で建設された。ダミアン・フォルメンが手掛けたアラバスター(雪花石膏)の祭壇彫刻が目を引く。
ウエスカ県立博物館
県に関連のある美術品が展示されている。『ウエスカの鐘』の伝説の舞台となったと考えられる「王の間」も見ることができる。
サン・ロレンソ教会
町の第一守護聖人を祀る教会。網の上で焼かれた殉教した聖ロセンソはウエスカの出身だった。教会のファザードは網の形をしている。ウエスカで最も大きなお祭りは8月10日に開催される「サン・ロレンソ祭り」。
パドレ・ウエスカ通り
バルやレストランが立ち並ぶ一角。夏はテラス席で食事を楽しむことができる。
ウエスカのまわりをハイキング
ウエスカ郊外に位置する古い教会へ、街中から足を延ばしてみましょう。ウエスカ市民に親しまれる散歩道を歩けば、現地の人との距離もぐっと近づくはずです。散策路から見えるグアラ山脈も旅情をそそります。
ロレート聖堂
ウエスカ市内から約3㎞に位置する。12世紀に起源をもつ聖堂。
ヌエストラ・セニョーラ・デ・サラス教会
ウエスカ郊外に位置する13世紀の教会。
ウエスカへの行き方
主に、サラゴサ、マドリッド、バルセロナからアクセスすることができます。
バスで行く
Avanza社
バス
約1時間
列車で行く
アトーチャ駅
Renfe
高速列車
約2時間半
バスで行く
サンツ駅
Avanza社
バス
約4時間
ウエスカの基本情報
ウエスカ Huesca
人口 約5万3千人
標高 483m
観光案内所 Pl. Luis López Allué, s/n, 22001 Huesca
ウエスカ県の観光地図
ウエスカ県の観光地図をこちらのリンクからダウンロードすることができます。