バルバストロ 人々の日常が垣間見られるワインの町

バルバストロウエスカ県内で3番目に人口が多い町です。

バルセロナからの高速バスが発着するため、ピレネー観光をこの街からスタートする方も少なくありません。

周辺はオリーブ、アーモンド、穀物が生産される農業地帯で、ソモンターノと呼ばれるワインの産地としても有名です。大聖堂や美術館などの観光スポットもあり、マーケットでの買い物や地元産の食材を使ったグルメなど、いろいろな楽しみ方ができます。

地元の人たちの生活が垣間見られるバルバストロの街を、散策してみましょう!

バルバストロの位置

ウエスカ県の中東部にあるバルバストロは、人口17,000人とウエスカ県内で3番目に人口の多い街です。

プレピレネーの丘陵地帯とモネグロの間、ベーロ川とシンカ川の合流地点に近く、周辺はオリーブ、アーモンド、ブドウ、穀物などが生産される農業地帯です。

県都ウエスカ市からは東へ約56km、バルセロナからは北西へ約220kmの距離にあり、ウエスカ県内の交通要所のひとつです。バルセロナからの高速バスピレネーの美しい村「アインサ行きのバスが発着する町なので、公共バスを使ったピレネー旅行の拠点となります。

バルバストロの歴史

バルバストロの歴史はローマ時代まで遡り、ローマ時代にはヒスパニア・タッラコネンシスに属していました。711年にイスラム教徒の軍師ムザによって占領されてウマイヤ朝の一部となり、バルバストロの由来となるバルバシュテルという名が付けられました。11世紀になるとアラゴン王国とイスラム勢力の間でバルバストロを巡る争いが繰り返され、最終的には1101年にペドロ1世によってキリスト教国となりました。

バルバストロの歩き方&見どころ

アスンシオン大聖堂(Catedral de Nuestra Señora de la Asunción)

バルバストロを象徴する大聖堂は、バルセロナからの高速バスが発着するバスターミナルのすぐ目の前にあります。

もともとはイスラム教のモスクがあった場所で、1517年から1533年にかけてゴシック様式の大聖堂が建設されました。大聖堂の内部は高さ約15メートルの6本の柱で支えられており、レースのような星形のリブ付きヴォールトと金色のバラの装飾が見事です。

ルネサンス期にアラゴンで最も有名な彫刻家ダミアン・フォルメントが作ったアラバスターの祭壇装飾や、ホルヘ・コモンとフアン・フベロによるルネサンス様式の聖歌隊席、バロック様式の細かな彫刻が施された礼拝堂のファザードなど、見どころ豊富です。

司教区美術館(Museo Diocesano Barbastro-Monzón)

大聖堂のすぐ隣にある司教区美術館では、ロマネスクから、ゴシックルネサンスバロックまで、西洋美術史の約1000年を伝えるコレクションを収蔵しています。大聖堂と共通のチケットで入場でき、1日2回(11:30と17:30)行われるガイド付きツアーもチケット料金に含まれています。

オリーブオイルの圧搾機(Prensa de libra)

司教区美術館からアルヘンソラ通りを北東に進み、ディプタシオン通りで左折するとすぐにベロ川にさしかかります。橋を渡った左手の広場にあるのは、長さ15mの巨大な木製のオリーブオイルの圧搾機です。実際にオリーブオイル作りに使われていたもので、軸を回転させると、約3,000kgの巨大な石が、円形の石の床へと徐々に圧力を加えるという仕組みになっています。対岸には壁色がカラフルな集合住宅があり、バルバストロの景勝地として知られています。

ストリートマーケット(Plaza del Mercado)

バルバストロの街の中心部にあるマーケット広場では、毎週土曜日に市場が開かれます。バルバストロ周辺で作られた旬の野菜や果物をたっぷり積んだバスケットや木箱がずらりと並び、食料品の買い出しをする地元の人達やアラゴンの特産品を求める観光客などで賑わいます。バルバストロの日常生活が体験できるおすすめのスポットです。

D.O.ソモンターノ(ワインの名産地)

バルバストロ周辺で生産されるワインは、ソモンターノの名で知られています。

ソモンターノとは「山麓」の意味で、ピレネー山脈の麓にあるこの地域はスペインで最も個性的なワイン生産地とされています。

ソモンターノでは世界市場を意識したモダンなスタイルのワインが開発されており、栽培品種はテンプラニーリョ、ガルナッチャ、カベルネソヴィニョン、メルロー、シャルドネ、ゲヴュルツトラミネールなど、在来品種と外来品種あわせて多様な品種が栽培されています。

バルバストロ周辺のワイナリーでワークショップやテイスティングを楽しめるツアーもあるので、ワイン好きの方はぜひワイナリーツアーにも参加してみてください。

バルバストロから足を延ばして

バルバストロの周辺にも、ぜひ訪れてみたいおすすめの観光地がいくつかあります。

アルケサル(Alquézar)

バルバストロから北西へ約24km、車で25分程の距離にあるアルケサルは、スペインで最も美しい村のひとつに数えられる小さな村。ベーロ峡谷に囲まれた崖の上に立つ小さな村で、イスラムとキリスト教文化の両方を受け継いでいます。迷路のような石畳の道沿いに3階建ての伝統家屋が立ち並び、イスラム情緒あふれるエキゾチックな村です。

アインサ(Ainsa)

ピレネー山脈から流れるシンカ川とアラ川が交わる小高い丘の上にたつアインサの旧市街。スペインで最も美しい村に登録される風光明媚な村を一目見ようと国内外から旅人がやってくる人気スポットです。石畳の道、ピレネーならではの伝統家屋、豊かな自然をゆっくり楽しみましょう。

ロダ・デ・イサベナ(Roda de Isábena)

バルバストロから北へ約56km、車で50分ほどの距離にあるロダ・デ・イサベナは、人口わずか40人のスペイン最小の村。こじんまりとした村の中心には、11世紀初頭に建設されたロダ・デ・イサベナ大聖堂が立っています。大聖堂内にはウエスカの郷土料理を楽しめるレストランもあり、午後のひと時を過ごすのにぴったりです。

バルバストロへの行き方

自家用車もしくはレンタカーでアクセスできます。

バスで行く


Avanza社

50分

バルバストロ

バスで行く


レリダ

Avanza社

1時間45分

バルバストロ

バスで行く


バルセロナ

Avanza社

約3時間

バルバストロ

☆Avanza社:https://www.avanzabus.com/

バルバストロの基本情報

バルバストロ Barbastro

人口 約1万7千人

標高 314m

ウェブサイト https://barbastroturismo.com/

ウエスカ県の観光地図

ウエスカ県の観光地図をこちらのリンクからダウンロードすることができます。