<公共バスで巡る> バルセロナ発着・ピレネー観光 5日間 モデルコース

ピレネー山脈の美しい村々を訪れてみたいけれど、「海外での運転は自信が…」と諦めている方も多いのではないでしょうか。

ピレネーエリアでは、公共バスが市民の足として利用されています。運行本数は多くはないのですが、上手に公共バスを利用することで、ピレネーの美しい村々を旅することができます。

今回の記事では、バルセロナ発着・公共バスを使って5日間でピレネー山脈を巡るモデルルートを紹介します。たった5日でもピレネー山脈を満喫できる日程です。ピレネーへの個人旅行を計画している方はぜひ参考にしてみてください。

ルートマップ

バルセロナから旅をスタートし、ピレネー山脈をぐるりと周遊。その後、再びバルセロナへ戻るルートです。

ピレネー観光 モデルコース 日程

日数行程宿泊地
1日目バルセロナ → バルバストロアインサアインサ泊
2日目アインサ → トルラトルラ泊
3日目トルラ → オルデサ渓谷 → サビニャニゴ → ハカハカ泊
4日目ハカ → ウエスカ ウエスカ泊
5日目ウエスカ → バルセロナ

意外と便利! スペインの公共交通機関

ピレネー山脈のアインサやハカを訪れる国内外の旅行者の多くは、自家用車レンタカーを利用します。

しかし、運転免許を持っていない方や、海外で車をレンタルして運転する自信がないという方も少なくないでしょう。タクシーを使って移動するという手もありますが、移動する距離が長く料金は割高になってしまいます。

そこでおすすめなのが、公共バスを使った旅行です。

バスのチケット購入について

今回のピレネー旅行の出発点となるのは、芸術と建築の都バルセロナの主要駅であるバルセロナ・サンツ駅です。

マドリード、パリ、アムステルダムなど、スペインや隣国の都市からの高速鉄道が乗り入れている、バルセロナの陸の玄関口でもあります。バルセロナ空港やバルセロナの中心部からも、電車や地下鉄でアクセスできます。

長距離バスのチケットは、夏休み期間やクリスマス休暇時期など極端に混雑する時期を除けば、出発の2~3日前までに購入すれば問題ありません。基本的に満席になる確率は低く、多くの場合は当日でも購入が可能です。

ただし、旅程がはっきりしている場合は、確実にお目当てのバスに乗車できるよう、ネットで事前購入するのがおすすめです。

↓バスチケット購入はこちらから(スペイン語のページにジャンプします)↓

公共バスを使ったピレネー旅行はバルセロナから

今回のピレネー旅行の出発点となるのは、芸術と建築の都バルセロナの主要駅であるバルセロナ・サンツ駅です。

マドリード、パリ、アムステルダムなど、スペインや隣国の都市からの高速鉄道が乗り入れている、バルセロナの陸の玄関口でもあります。バルセロナ空港やバルセロナの中心部からも、電車や地下鉄でアクセスできます。

バルセロナ・サンツ駅のバスターミナル

バルセロナと近隣の町や都市を結ぶ長距離バスは、バルセロナ・サンツ駅の北側に隣接したバスターミナルから発着しています。

【 1日目 】バルセロナからアインサへ

バルセロナ出発のピレネー山脈へのバス旅行の1日目は、ウエスカ県で人口が3番目に多いバルバストロを経由し、「スペインで最も美しい村」のひとつアインサを目指します。

タイムスケジュール(例)

11時00分 バルセロナ・サンツ駅出発
14時10分 バルバストロ
     ランチ&バルバストロ観光
17時15分 バルバストロ出発
18時15分 アインサ
     アインサ泊

バス運行スケジュールは変更される場合があります。必ずご確認ください。

バルセロナからバルバストロへ

バルセロナ・サンツ駅から出ているAvanza社バスを利用して、バルバストロへ向かいます。バルセロナ発バルバストロ行のバス便は1日4本出ています。

料金:11.20ユーロ
所要時間:3時間10分

バルバストロの見どころ

バルバストロに到着するのは午後2時過ぎ、スペインではちょうどランチタイムです。バスターミナルのあるアラゴン広場周辺には、ランチに最適なレストランやバルが何軒か立ち並んでいます。

食事を済ませたら、バスターミナルからほど近いアスンシオン大聖堂字へ向かいましょう。外観は石造りで武骨な印象ですが、大聖堂の内部はルネサンス様式やバロック様式の装飾がされており荘厳です。星形のリブ付きヴォールトや金色のバラの装飾が施された天井や、ルネサンス期に作られたアラバスターの台座や聖歌隊席、バロック様式の繊細な彫刻が施された玄関口など、見ごたえのある大聖堂です。

時間があれば、大聖堂に隣接した司教区美術館もおすすめです。ロマネスクから、ゴシック、ルネサンス、バロックまで、西洋美術史の約1000年を伝える大規模なコレクションを収蔵しています。

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バルバストロからアインサへ

バルバストロからアインサへ向かいます。バルバストロ発アインサ行のバス便は、17時15分出発のみの1日1本なので、乗り遅れに注意しましょう。

料金:6.05ユーロ
所要時間:1時間

アインサに泊まる

アインサ到着は午後6時過ぎ。アインサの町は丘の上にある旧市街と丘の下にある新市街に分かれていますが、バスターミナルがあるのは新市街です。

ホテルにチェックインした後は、町へ出てレストランで夕食を食べましょう。レストランが集中しているのは旧市街のマヨール広場周辺とオルデサ通り沿いです。

【 2日目 】アインサ&トルラ観光

2日目の午前中はアインサの町を散策。午後はトルラへ移動して、トルラの町を散策しましょう。

タイムスケジュール(例)

午前   アインサを散策
14時15分 アインサ出発
15時10分 トルラ
着後   トルラを散策
     トルラ泊

バス運行スケジュールは変更される場合があります。必ずご確認ください。

アインサの見どころ

午前中は中世の面影が色濃く残るアインサの旧市街を散策しましょう。アインサの旧市街は、狭い石畳の通り沿いに3階建ての石造りの建物が立ち並び、まるで中世に時間を巻き戻したかのようです。

アインサの旧市街の中心は、アーケードに囲まれたマジョール広場です。広場に面してレストランのテラス席が多く設置され、観光客や地元の人達で賑わっています。マジョール広場の南側には、11世紀に建てられたロマネスク様式のサンタ・マリア教会があります。教会に併設された鐘楼は高さ約30mあり、一際目を引くアインサのシンボルとも言えるでしょう。

旧市街の北端にある城壁は、アインサがかつて城塞都市であったことを今に伝えています。城壁の上は展望台として開放されており、ペーニャ・モンタニェサ山やアラ川など雄大な景色を一望できます。

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アインサからトルラへ

アインサ発トルラ行のバス便も14時15分発の1日1本のみ。バスに乗り遅れないよう、注意してください。

料金:4.50ユーロ
所要時間:55分

トルラの見どころ

ウエスカ県北部のブロート渓谷に位置するトルラは、オルデサ国立公園の入り口の村です。

到着するのは午後3時過ぎなので、石造りの家が立ち並ぶトルラの村を散策して歩きましょう。人気の避暑地であるトルラには、パン屋、薬局、アウトドア用品店、スーパーマーケットなど商店も豊富。アウトドアグッズも充実しているので、翌朝のハイキングに必要な登山グッズも買い揃えられます。

フランス通り沿いにはレストランやバルも豊富なので、明日に備えてしっかり夕食を取りましょう。

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【 3日目 】オルデサ国立公園でハイキング

3日目のハイライトはオルデサ国立公園でのハイキング。その後サビニャニゴを経由してハカへ移動します。

タイムスケジュール(例)

午前 オルデサ国立公園をハイキング
15時10分 トルラ出発
16時05分 サビニャニゴ着
     ★乗り換え
16時10分 サビニャニゴ出発
16時30分 ハカ
     ハカ泊

バス運行スケジュールは変更される場合があります。必ずご確認ください。

オルデサ国立公園へ

トルラオルデサ国立公園の玄関口。村の南側に大規模な駐車場があり、オルデサ国立公園の登山口「プラデラ・デ・オルデサ」行きのシャトルバスが発着しています。駐車場内にはオルデサ国立公園のビジターセンターがあり、国立公園の地理や動植物に関する展示があります。ハイキングルートの地図なども入手できるので、シャトルバスに乗る前にぜひ立ち寄ってみてください。

トルラからプラデラまでの所要時間は約25分。プラデラから出発するハイキングコースがいくつかありますが、日帰りのハイカーに人気が高いのは、アラザス川の岸沿いを進みアリパス滝とエストレチョ滝を目指すハイキングコースです。往復約8kmで所要時間は2時間10分程度で中級者向けのコースですが、オルデサ国立公園の雄大な景色を満喫できます。

★登山地図のダウンロードはこちらから → https://montanasegura.com/folletos-de-excursiones-por-valles/

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トルラを出発し、サビニャニゴで乗り換え、ハカへ

オルデサ国立公園でハイキングをした後は、シャトルでトルラに戻り、Avanza社のバスでサビニャニゴを経由してハカへ向かいます。

トルラ発サビニャニゴ行きのバスは1日1本、15時10分発のみ。

料金:4.40ユーロ
所要時間:55分

サビニャゴからハカへは1日8本のバスが発着しています。

料金:1.80ユーロ
所要時間:20分

ハカに泊まる

ハカに到着するのは午後4時半。ハカのバス停は旧市街にあるビスコス広場の向かいです。

ビスコス広場の南側は迷路のような石畳みの小路が多い旧市街で、レストランやバルも豊富にあります。軽めの夕食を取った後は早めにホテルへ行き、ハイキングで疲れた体をしっかり休めましょう。

【 4日目 】ハカ観光、ウエスカへ

4日目の午前中は歴史あるハカの町を散策しましょう。ハカの観光を楽しんだ後は、ウエスカ県の県都ウエスカへ向かいます。

タイムスケジュール (例)

午前、ハカを散策
観光を終えたらハカ からウエスカへ移動
ウエスカ泊

ハカの見どころ

ハカは11世紀にアラゴン王国最初の都として栄えた町です。中世にはサンティアゴ巡礼路の重要な宿場町として繁栄しました。

まずは、ハカの旧市街地の中心にあるハカ大聖堂を見学。11世紀に建設が始まったスペイン最古の大聖堂のひとつです。大聖堂併設のハカ司教区美術館では、スペインを代表するロマネスク様式の壁画コレクションが収蔵されています。

旧市街に隣接したシウダデーラ要塞も、ハカ観光で外せない観光名所です。16世紀にフェリペ2世によって建設された星形要塞です。

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ハカからウエスカへ

ハカ観光を楽しんだら、ウエスカ県の県都ウエスカへ向かいます。ハカ発ウエスカ行のバスは1日7本出ており、最終便はハカ発19時のバスです。

料金:8.10ユーロ
所要時間:1時間15分

ウエスカに泊まる

ウエスカ県の県都であるウエスカの人口は約5万人。ウエスカ県内で人口も最も多い都市です。フランス国境にも近いウエスカ周辺は、大自然の中で育てられた新鮮で上質な食材の宝庫でもあり、食文化が豊かなことでも知られています。

ウエスカ市内にはミシュラン星を獲得した名店をはじめ、新鮮な食材を使ったアラゴン料理を提供してくれるレストランやバルが数多くあります。ピレネー旅行の最後の晩は、贅沢にアラゴン産の黒トリュフや仔羊に舌鼓を打つのも良いかもしれません。美味しいお料理に合わせるのは、もちろんソモンターノのワイン。ピレネー旅行の最後の夕食をゆっくり楽しんでください。

【 5日目 】ウエスカからバルセロナへ

いよいよピレネー旅行の最終日。午前中はウエスカを散策しましょう。ウエスカを散策した後は、バルセロナに戻ります。

タイムスケジュール(例)

午前、ウエスカを散策
観光を終えたらウエスカからバルセロナへ

ウエスカの見どころ

アラゴン王国の古都ウエスカの観光は、旧市街地を中心に回りましょう。旧市街地はコンパクトで、中世の美術史の縮図のような建築群が見られます。

12世紀に建てられたロマネスク様式のサン・ペドロ・エル・ビエッホ教会や、イスラム統治時代のモスクがあった場所に建設されたウエスカ大聖堂、ウエスカに関連する美術品を大量に収蔵しているウエスカ県立博物館などがおすすめです。

旧市街の観光を終えたら、バルやレストランが多く立ち並ぶパドレ・ウエスカ通りで軽い食事を楽しみましょう。夏はテラス席で食事を楽しむことができます。

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ウエスカからバルセロナへ

ウエスカ観光を終えたら、旅の出発点であったバルセロナへ戻ります。ウエスカからバルセロナへは1日4~8本のバスが運行しています。

料金:13.85ユーロ
所要時間:約4時間

公共バスを使った旅行でも十分満喫できる!

バルセロナから出発してピレネー山脈の村々を5日間で巡るモデルルートを紹介しました。公共バスを使ってゆっくりとピレネーを巡り、ピレネーの壮大な景色を満喫してみてください。今回ご紹介したピレネー5日間の旅の日程は、滞在日数を延ばして連泊を挟んだりショートカットしたりなど、アレンジも可能です。

車の運転ができない方や海外での運転に自信がない方も、公共バスを利用して、魅力あふれるピレネーの村々を旅してみてください。

・バス会社:Avanza社 https://www.avanzabus.com/
・今回記載したバスの料金は、2024年5月現在のものです。
・バスの運行時刻は変更になる場合があります。必ずご確認をしてください。

ルートマップ

ウエスカ県の観光地図

ウエスカ県の観光地図をこちらのリンクからダウンロードすることができます。