<スペイン最古の食料品店>　ラ・コンフィアンサ

投稿日 2024年4月10日
更新日 2025年6月3日
著者 Huesca
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カテゴリー食文化

ウエスカ市の旧市街にある「ラ・コンフィアンサ」は、現存するスペイン最古の食料品店です。オリーブオイル、チーズ、ソーセージなど、ウエスカ近郊で作られている多様な食材を取り扱っています。

1871年の創業以来、地元の人たちの食を支え続けてきました。

今回の記事では、そんなスペイン最古の食料品店「ラ・コンフィアンサ」の魅力をご紹介します。

ラ・コンフィアンサとは、どんなお店？

ウエスカの旧市街の中心部にあるルイス・ロペス・アジュエ広場は、淡いピンク色の外壁と深緑のアクセントが印象的なアーケード。1976年まではこの広場に市場があったことから、今でも地元の人たちからは「メルカード広場」の愛称で呼ばれています。

この広場の一角に、スペイン最古の食料品店「ラ・コンフィアンサ」はあります。

ラ・コンフィアンサの歴史

ラ・コンフィアンサの創業は1871年。フランス出身の商人イラリオ・ヴァリエによって、高級レース、シルク、ビーズなどを販売する小間物店としてスタートしました。

数年後には所有者が変わり、遠い海外から渡ってきた輸入品、コーヒー、チョコレート、リキュール、燻製食品なども取り扱うようになりました。

20世紀前半に、現在のオーナーであるマリア・ヘススさんの父親が事業を継承。1930年代のスペイン内戦中も休まずに、地元の人たちの食を支える食料品店としてサービスを提供し続けてきました。

コンフィアンサ(Confianza)とは、スペイン語で「信頼」という意味。地元の人たちに愛され続けている食料品店らしい店名です。

オーナーのマリア・ヘススさん

現在のオーナーは、マリア・ヘススさん。ラ・コンフィアンサを買い取った父親のもとで働きながら、生涯に渡って徹底した顧客サービスに専念してきました。ラ・コンフィアンサの経営者としてだけでなく、ウエスカ主婦協会会長、地元赤十字社の副会長として、忙しく献身的に働き続けるパワフルな女性です。2011年には、ヨーロッパの女性起業家賞を受賞しました。

「スペイン最古の食料品店」として各紙で紹介

創業以来150年間、ウエスカの人たちに愛され続けているラ・コンフィアンサは、「現在も営業しているスペイン最古の食料品店」として、『ナショナル・ジオグラフィック・トラベル』やアラゴンの地元紙『ヘラルド・トリビューン』などで紹介されてきました。2012年には『ニューヨーク・タイムズ』の一面で取り上げられ、ウエスカにあるスペイン最古の食料品店の名は世界に知られるようになりました。現在では、地元の人はもちろん、ウエスカを訪れる観光客も多く立ち寄る人気店となっています。

ラ・コンフィアンサの店内

店内に一歩足を踏み入れると、19世紀にタイムスリップしたような感覚に陥ります。1階は創業当初の面影を今に伝える食料品店、地下1階には、隣接する教会のかつての酒蔵であったスペースが残されています。

内装はまるで博物館

店内で真っ先に目を惹かれるのが、天井の美しいフレスコ画です。これは、ウエスカ出身の19世紀の画家、レオン・アバディアスによるもので、海外貿易や商品をモチーフにしており、商業の神マーキュリーの姿も描かれています。

燻製タラの切り分けに使われているナイフや大理石のカウンター、使い込まれた木製の棚、古いポスター、旧式の秤、前世紀の製品サンプルなどが、全てとても良い状態で大切に保存されており、まるで歴史博物館のようです。

地下1階のワイナリーも見学可能！

地下1階は、もともと隣接する教会（旧修道院）のワイナリーがあった場所で、ヴィンテージのオートマタ（自動で動くからくり人形）、古い写真、新聞の切り抜きなどが展示されています。こちらは1階の食料品店で商品を購入した方のみに公開しています。

ウエスカ名産品をお土産に

ラ・コンフィアンサでは、オリーブオイル、チーズ、ソーセージ、塩ダラ、ドライきのこ、パテ、チョコレート、はちみつ、ジャム、お菓子など、ウエスカ県産の美味しい食材を数多く取り揃えています。美しいパッケージのチョコレートやお菓子、ウエスカ産のオリーブオイルやジャムなどは、ウエスカ土産としてもおすすめです。